ロシアのIT業界の職場環境について

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて今回は、私が日本に来る前にロシアで数年間働いていたソフトウェアエンジニア業界の職場環境について、自身の体験を踏まえてお話させていただきます。

初めての職場

ロシアでは、大学を卒業したてのエンジニアは、大学で習った技術を活かそうと思ってもそれは簡単ではありません。なぜかというと、新卒という雇用形態がロシアにはないからです。面接に来るエンジニアは年齢も経験もばらばらなので、一番の経験者の方が選ばれる確率が高いのです。それでは、経験のないエンジニアはどうすれば良いでしょうか。

一つ目の方法は大学を卒業する前にアルバイトとして就職し、大学を卒業したらそのままそのアルバイト先に入社するというものです。

2つ目はとにかくIT系の会社に入社して、それほどスキルを必要としないポジションから始めて、徐々にメインの仕事に移行しプログラミングスキルを身につけたり、開発の課題を手伝ったりして経験を重ねてから高度なエンジニアに転属するのです。

私の場合、給料の高くないエンジニアから始めたんですが、当時はそれでもすぐに見つけることはできませんでした。

物理学部等のIT専門外からエンジニアを希望する人も結構多い!

驚かれるかも知れませんが、ロシアでは大学の専門がIT開発者ではない人でもエンジニアをやっている人は結構多いです。特にウェブ系のエンジニアです。ホームページなどの作り方を独習して面接試験のためにいくつかプログラムを作って合格するパターンです。ロシアではIT業界が急激に成長しているため、慢性的にエンジニア不足です。ロシアではプログラミングは難しすぎると思われているせいか日本の専門学校みたいな学校でプログラミングを勉強する人はいません。

外国人エンジニアは少ない

もう一つの特徴は外国人のエンジニアが少ないことです。アメリカや日本に比べて給料が安いので外国人エンジニアがロシアで働く可能性は低いです。逆に、ロシア人エンジニアがアメリカやカナダへ仕事のために引っ越すパターンが多いです。

就業時間は?

就業時間は9時から18まであるいは10から19時までのが多いです。スケジュールが合えば自宅で作業させてくれる会社もあります。また、完全に自宅でソフトウェア開発をしているフリーランサーのエンジニアもいます。その中には、タイやベトナムといった物価が安くて暖かい国に引っ越して仕事をする人もいます。

まずは自分で解決しよう!

ロシア人はプロ意識が高いので、多くの場合上司であるマネージャは問題があったことを知らずにエンジニアが一人で問題を解決します。自分自身で問題を解決すれば時間はかかりますが、次に同じような問題に出くわした時簡単に解決できます。日本ではどうでしょうか?

能力をアピールすることが大切です!

入社したてのエンジニアは学歴や経験だけでは本当の能力を認めてもらえないものです。先輩たちは仕事の結果で新人の能力を判断します。もし外資系IT企業の海外の支社からロシアに来たエンジニアはそういうロシアの会社の雰囲気に最初は違和感を持つかも知れません。

プログラマーの日

ロシアには面白い祝日があります。それは「プログラマーの日」です。2009年から9月13日(256日目、閏年は9月12日)がプログラマーの日として法律的に認められました。特にお祝いはしませんが、エンジニアの方は当日友達や同僚に「おめでとう」って言われたり、プレゼントをもらったりします。日本ではありませんが、「教師の日」は多くの国で記念日や祝日となっています。ロシアでは教師と同じくらいプログラマーは尊敬されています。