著作権についての啓蒙に見るメディアの生殺与奪:序
おはようございますこんにちはこんばんは。SATOです。
今回は今までのテーマから離れ、IT業界の片隅にいる一人として「著作権」についてのお話をしたいと思います。
インターネットの登場以来、端末と通信網の進化と普及に伴い、Web上で情報発信をすることができるようになりました。
そして、それはブログやSNSの普及によりもっと手軽に、もっと気軽に行えるようになりました。
ここで出てくるのが、今回のテーマである「著作権」の問題です。
厳密にいうと、「今まで無縁だった」ので著作権に明るくなかった人が、インターネットを介した情報発信を行うことによって、時に無自覚に時に確信犯的に、これを犯すケースが出てきた、ということです。
ネットにおける著作権違反として今回注意を促したいのは、「ネットで拾ってきた画像を気軽にアップ」というものです。SNSやブログなどにネットから拾ってきた画像をアップロードした、なんていう経験、ありませんか?
著作権は「親告罪」と言って、権利者が訴えなければ立件はされません。ですから、通常は出所が古かったり、問題の投稿が草の根に紛れていたり、著名人や企業のアカウントではないからという理由で権利者からお目こぼしをされていたりといった理由で、我々が訴えられることはほとんどありません。ですが、「ばれなければ万引きしてもOK」というわけではありません。これをお読みになった方には、ぜひとも気を付けていただきたいと思うのです。
では、「著作権」に配慮したら「ガチガチ」になってしまうのでしょうか。何もアップできないのでしょうか。私自身もそんな意見を目にしたこともありますが、決してそんなことはありません。何がよくて何がだめなのか、簡単におさらいしてみましょう。
大手を振って利用できるケース
- 1:自分が作った作品や自分で撮った写真
- 2:二次利用OKの素材
- 3:権利者から許可を得ているもの
自分で撮った写真や自分で描いたイラスト、自分で作曲した曲をアップロードする分には、権利者は自分ですから問題はありません(それ自体が盗作やトレパクではよくないですが)。
創作物というとハードルが高かったり無関係だったりする方も多いでしょうが、スマートフォンで撮影した写真や動画は身近ですよね。これは、大手を振って使用できます。
例えば、この投稿で使用されている写真は私が自分で撮影したものです。これであれば、誰にも文句は言われません。Yes! Myself!
ただし、他者の権利物を撮影してアップロードするのはNGですし、人物写真の場合には肖像権が発生しますので、被写体の方に許可を取る事をお忘れなく。
作者が「二次利用(ブログへの貼り付け・アイコンへの使用等)」を許可している場合。俗にいう「フリー素材」ですね。
これらの中にも細かい規定は色々あるので、事前に確認して利用しなければなりませんが、条件を満たせば自分のSNSやブログに利用することができます。使い勝手には限界があるかもしれませんが、画像や曲がほしい時には検討してみてはいかがでしょうか。
オンラインで出回っている素材には、権利者が自ら二次利用に対するガイドラインを設けているものがあります。これらは、正規の手続きを踏むことで使用できるようになります。とはいえ、有料の場合がほとんどですし、加工についても、フリー素材よりも厳しい制約が課せられている場合も多いです。
一見ケチなようにも思えますが、権利者にしてみればそれで収入を得ているので、これは当然ですよね。
他にも、権利者が知り合い闇討ちだった場合に、直接お願いするのもいいかもしれません。
利用したらダメなケース
- 1:ネットで拾ったデータ
- 2:本の中身
- 3:人様の発言
出所の多くはネットの海。SNSやブログなどで誰かがアップロードした画像や、どこぞの公式サイトに載っていた画像を掲載するのは、当然アウトです。これに関連して、コラ画像なんかもアウトになります。
注:一部に「ネットに上がっている画像や音楽や動画は全てフリー素材」という意見の方がいますが、これは間違いですのでお気を付けを。
この辺りはグレーゾーンではありますが、「この漫画のこのシーンが好きなんだ」と本の中身を撮影してアップロードする行為も、デジタル万引きとみなされるケースがありますので、控えた方が無難でしょう。
厳しく考える方(出版社)の中には、表紙の写真ですらNG、というケースもあります。ご注意を。
俗にいう「パクツイ」と呼ばれるやつですね。
誰かの「心に響く」、「面白い」、「役に立つ」発言を目にしたとき、それを許可を取らず、出典元も記載せず、あたかも自分の意見のように発言する行為も、実は著作権違反になるのです。そういう発言を見かけたときは、リツイートやシェアでみんなと共有してくださいね。そして、明らかにパクっている投稿を見つけた時には、通報するのもお忘れなく。
上記のように整理してみると、「じゃあどんなものならいいのか」が見えてくる事かと思います。ブログやFacebookだからといって、無理に心に響く発言をする必要もなければ、無理に画像を添える必要もないのです。
確かに、著作権に配慮する事は面倒くさいですし、自分のWeb上での活動内容を狭めることになるかもしれませんが、これは自衛の話でもあります。
事実、現在でも勝手にアップした写真が権利者から訴えられて巨額の請求をされるケースは存在します。彼らのエゴサ力をなめてはいけません。
そして、もし近い将来著作権が「非親告罪化」された際には、第三者が勝手に「あの人があなたの著作物を不正使用していますよ」とチクることができてしまいます。パクツイをチクられるくらいなら、まだスパム申請をされてアカウントが凍結されるだけで済むかもしれませんが、もしJ事務所のサイトに載っていたタレントの写真をアップロードしようものなら、訴えられて何百万円と請求されるかもれません。
そんなディストピアが来ても生き残れるよう、SNSやブログの投稿には気を付けたいものです。
では、よいネットライフをお過ごしください。